第11集

第11集

かわち野

かわち野第11集あとがき綴り方と話し方のクラブ アイ・マイ・ミー~「生きるって 素晴らしい!」を実感できる講座~ 代表 重里 睦子 最後までお読みいただきありがとうございました。 今号も各々の過去の出来事や感じたことなどを、それぞれ綴りまし...
第11集

かわち野

かわち野第11集白南天鈴木 幸子 十二月も中頃になり、今年も白南天と赤南天が背伸びするように塀から突き出て、青空をバックに揺れている。 平成二十六年九月に夫が亡くなってからも南天はずっと実をつけ続けている。 この白南天には忘れられない物語が...
第11集

かわち野

かわち野第11集情愛の絆 ~寒中見舞い状~重里 睦子 二〇二五年一月二八日(火)、一通の寒中見舞い状が封書で届いた。 私が毎年楽しみにしているT子さんと、そのご子息M君からのものだった。 この母子と知り合ったのは、四一年前、M君が二歳の時で...
第11集

かわち野

かわち野第11集ヤマトタケル坂下 啓子 思い切って出掛ける事にした。歩くと少しふらつくが、杖を突けば充分心斎橋の松竹座までは行ける。 二十年位前になるが、ふと思いついて同じ松竹座で三代目猿之助の「ヤマトタケル」を観に行った事がある。新しい演...
第11集

かわち野

かわち野第11集渡し板黒江 良子 小学五年生の時、同じクラスに苗字は違うが、名前が同じ女の子がいた。 彼女は余り友達がなく、口数の少ない、ほっそりした寂し気な感じの少女だった。 校庭で級友数人と遊び始めても「入れて」「寄せて」と言わないし、...
第11集

かわち野

かわち野第11集忘れ得ぬ母の戦争体験内田 みづほ 私の母は平成29年に88歳で亡くなった(昭和3年生)。愛知県の山間部で生まれ育った。生前、戦争体験を話すことはほとんどなかった。 私は昭和26年生まれ、思春期の私は戦争なんて自分には関係ない...
第11集

かわち野

かわち野第11集100平米の小宇宙岩井 節子 我が家の玄関の軒下に初めて燕が巣をかけてから20年くらい経つ。最初に巣を作った時、成長して飛び立つ寸前の雛たちは蛇に襲われ、1羽だけが下に落ちて生きていた。 私はその雛を「ピーコ」と名付け、ピン...
第11集

かわち野

かわち野第11集鉄を食べた木山田 清 通い慣れたこの道。 南海電鉄・高野線の千代田駅を出て道路を渡り終える。そこからはおよそ100メートル余りで、目的の千代田公民館に着く。 月2回の『綴り方と話し方教室』へ通い始めてから、早いものでもう10...
第11集

かわち野

かわち野第11集遺 跡三浦 佐江子 2023年春、高向遺跡の発掘調査が始まった。河内長野市のほぼ真ん中の地で、我が家から歩いて10分ほどだ。 翌年秋になって、調査の説明会が高向の公民館で開かれたので参加した。市の〈ふるさと歴史学習館〉太田宏...
第11集

かわち野

かわち野第11集化身に守られ松本 恭子 令和七年巳年の新年が明けた。 私は昭和四年巳年生まれ。十月で満九十六歳になる脳裏を因縁めく蛇がよぎった。 四十四年前になる。部屋の中をなめくじが這うじめじめする社宅を出て、緑豊かで空気が美味しい河内長...