第十集

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かわち野第十集 あとがき 綴り方と話し方のクラブ アイ・マイ・ミー~「生きるって 素晴らしい!」を実感できる講座~ 代表 重里 睦子  二〇一一年七月に綴り方と話し方のクラブ〝アイ・マイ・ミー〟『生きるって素晴らしい!を実感できる講座』が発...
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かわち野第十集 一緒に泣いてくれる人がいる 坂下 啓子  大昔見た映画で、印象に残っているのは洋画では「ベンハー」「風共に去りぬ」「アンナカレーニナ」等がある。日本映画では数え切れないが、木下惠介監督の「二十四の瞳」「野菊の如き君なりき」は...
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かわち野第十集 書道パフォーマンス甲子園 後藤 新治 「書道パフォーマンス甲子園」という、全国から集まった高校生たちの書道のイベントがある。令和4年で15回になる。もともとは、愛媛県立三島高等学校書道部が、市内のショッピングモールなどで、音...
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かわち野第十集 いと、うるわしい 黒江 良子  近頃の気候は「三寒四温」と言う様な生易しいことではなく、その日は半袖のTシャツでも凌げたのに、翌日は雪がちらつきコートを着るという定まらない空模様に戸惑いを感じる。  災害地の能登の人達はこの...
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かわち野第十集 私の七五三 内田 みづほ  私は幼い頃、祖父母に育てられた。自然豊かな愛知県の山あいの村が私のふるさとだ。今は人口千人ほどの限界集落である。三歳の七五三は祖父母の家で行った。楽しげで、にぎやかな大人たちに見守られていた。が、...
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かわち野第十集 AIと「あれ」 岩井 節子  大阪南医療センターで、車椅子の患者さんを受付まで連れて行くなどのボランティアをしている。令和六年、新年早々患者さんとの会話で「あれ」をやってしまった。「あれ、あれを貸してください。あれしますので...
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かわち野第十集 ミケとノンノ 井上 文子 我家で飼った一代目の猫の名前は「ミケ」である。 私が四十代の頃、勤務先の近くに小僧寿しの店があった。お昼の休み時間に度々行くので、店員さんとも顔馴染みになった。  ある日、「子猫いらない?」と言われ...
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かわち野第十集 その日大阪 山田 清  長い商店街を通り抜けた。 師走も近い、土曜日の午後。定年後に知り合った友との、昼飲みを約束した日であった。 咋今は、郊外の大型商業施設に客が集中し、シャッター街化がすすむ商店街が多い。なのに、なぜなの...
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かわち野第十集 ポポーとチイと植木屋さん 三浦 佐江子  庭に犬がいる。松を剪定する植木屋さんの脚立の下を通り、東へ向かうのを目にした。「ええっ、どこの犬?」。迷い犬なら、どこへ連絡すればよいのだろう。横で見ていた夫が、確かめに行く。「植木...
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かわち野第十集 Sへ 林 和子  出会いは確か、なじみの繁華街を少しはずれた道の行き止まりにあるバーだった。 二〇〇〇年の夏の夕刻、帰宅するにはまだ早い時間だった。当時は仕事をしていて、帰り着くまでに軽く飲んでいく、というようなことは時折あ...