第七集

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かわち野第七集 あとがき 綴り方と話し方のクラブ アイ・マイ・ミー~「生きるって 素晴らしい!」を実感できる講座~代 表  重 里 睦 子  長年ブライダル業界にいた私ですが、とても感動した披露宴がありました。カラオケや余興など全くない、ス...
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かわち野第七集 一葉の葉書 岩井 節子  数年前、一枚の葉書が届いた。「母が死んで 二年が経ちま した。私は教員をやめて大学院に進学しました。学位取得後に、又教員試験を受けようと思います。留学を夢見ていた母の分も頑張ります。今ごろ、 やっと...
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かわち野第七集 深い秋 山田 清  十一月下旬、外気は冷たさを増す。 三年前の秋、少し厚着をした私は、平日の南海高野線・千早口駅に降りた。朝と呼ぶには遅すぎる午前十時、降車したのは私を含めて二人。無人の改札を通り過ぎ、駅前の案内板と地図とを...
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かわち野第七集 先を案じても 三浦 佐江子  梅田の地下道は、夕方4時を過ぎると仕事帰りの人たちで溢れだす。混雑する前に帰りたい。少しでも早くと御堂筋線の改札から、中百舌鳥方面行きへの階段を駆け下りた。電車はまだ来ていない。  列の6、7番...
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かわち野第七集 雅子姉さん 松本 恭子  卒寿を迎えて、身辺整理が進まず焦りを覚える。階段下の物置に横たえておいた編機、ずい分働いてくれたけれど、未練なく処分することにした。 編機と言えば、逞しく生きた六歳違いの姉を切なく想いおこす。 私が...
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かわち野第七集 銀木犀と父 林 和子  二〇一九年、秋。 早朝、新聞を取りに玄関の戸を開けると、かすかな匂いが漂ってきた。玄関横の銀木犀に目を向ければ、葉蔭に白い花が咲いている。 この時期、金木犀はその匂いと色で探すとすぐに見つかるだろう。...
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かわち野第七集 七十四年前の夏 西村 雍子  一九四五年(昭和二十年)、私は両親の郷里、京都府北桑田郡山国村(現在京都市右京区京北)に縁故疎開した。母の実家でもある伯母の家に預けられ、『山国国民学校』に通っていた。 夏休みのその日、私は学校...
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かわち野第七集 0という数字 徳重 三恵     祈り 「痛い、痛い。臍の辺がキリキリ痛い」 普段、あまり痛みなど訴えることのない夫が脂汗を滲ませながら、うなり声を上げている。15時頃の事である。どう見ても尋常ではない。私はすがる思いで掛り...
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かわち野第七集 小学生の優しさ 津田 展志  私は27歳の時に難病に罹った。今、世界を揺るがしているコロナウイルスではないが、ウイルス感染が原因だ。 ウイルスを攻撃するはずの免疫が神経を攻撃して痺れや麻痺が出る病気と分かった。高熱が1週間続...
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かわち野第七集 果敢無きは人の命 滝尾 鋭治  私はわずか三年の間に、親しかった五人の友に先立たれた。永年癌と闘いながら力つきた、七歳年下の近鉄百貨店時代の細井君。同じく同僚だった五歳年下の古沢君。彼とは死の前年、近鉄食道部同窓会の席で隣り...