第二集

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かわち野第二集 あとがき 綴り方と話し方のクラブ アイ・マイ・ミー~「生きるって 素晴らしい!」を実感できる講座~ 代表 重里 睦子  今年度は、受講生の皆様の書く意欲に、只々圧倒されました。中には、講座当日、出かける直前まで書いていた、と...
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かわち野第二集 介護が必要になっても 細見 杉代  今、私は姑(九十五歳)の人生の足跡を辿っております。私もいつしか通る道ですから。 振り返りますと、私の小さい頃は、大家族で祖父母、父、母、叔父、伯母、姉、兄と共に暮らしておりました。近所地...
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かわち野第二集 分身と共に 松本 恭子  ざっと掃除をすませて二階へ上る。東南に向く部屋の窓辺で、でんと構える私の分身、足踏みのシンガーミシンを伸びた日ざしが包み込んでいた。かれこれ百年を数える老体でも軽やかに動く。ブラウスの袖づめは二日が...
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かわち野第二集 川のような海 山田 清  二十六才の夏。 時刻表、メモ帳、簡単な着がえ等、その年の夏計画をバッグに詰めた。暑さに私自身が溶けてしまわないように思いきり派手に装いながらも、ケチで気楽な一人旅に出掛けた。 往路は、すべて普通電車...
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かわち野第二集 古い記憶 江頭 哲子  私の一番古い記憶かもしれません。鮮明に覚えている出来事があります。私は、父と一緒に父の妹の結婚式にでかけました。結婚式なので写真が残っています。三歳の頃です。 お小遣いをもらって帰ってきました。父から...
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かわち野第二集 出会い 最後のペット 西村 雍子  私たちが、あの犬に出会ったのは十九年前、平成七年春の彼岸、京都・大徳寺への墓参りの帰りであった。 それまで十三年飼った犬が、阪神大震災の時、わが家で唯一「被災」したのだ。下駄箱の花瓶が犬の...
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かわち野第二集 「出会い」 岩井 節子  4月半ばの寒い一日、友人と京都の大原に行った。寂光院でお話を聞いた後、三千院を目指した。話しながら歩いていたせいか、曲がり角を間違えてあわてていると、前方から二人の若い女性歩いてくる。 彼女らに道を...
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かわち野第二集 家庭内台風 坂下 啓子  私が物心ついてから年に二~三回、祖父と父の大喧嘩があった。いつもはお互い無視して暮らしているのだが何かの拍子に押さえている鬱憤が爆発して凄いことになる。母や家にいる職人さんも(祖父が板金店を営んでい...
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かわち野第二集 縁起のいい街 徳重 三恵  三十七年前、私は姉妹三人で大阪郊外O市に一軒家を買い早々に入居した。 当時の私は三十五歳の独身で銀行に勤めていた。いつのまにか職場の女性は若い人ばかりで上司からは叱られ役であり、新入社員からはすこ...
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かわち野第二集 いもうと『道子』 黒江 良子 「姉ちゃん!待ってぇ」 バス停に向かう私の背後から妹が追っ掛けて来た。そこへバスが来て私は急いで乗った。バスの窓から妹を見ると、顔を紅くしてふくれっ面で肩で息をしながら、手を小さく振って立ってい...