夜の魚獲り

第三集

かわち野

かわち野第三集 夜の魚獲り 山田 清  夏風は、土の匂いと緑の香りを一杯に含んでいた。 大きく育った稲を撫でながら、開けっ放しの縁側から裏口へと、家の中を通り過ぎて行く。近くを流れる川で、目一杯泳ぎ遊んだ身体に、昼寝は心地よかった。 それは...