深い秋

第七集

かわち野

かわち野第七集 深い秋 山田 清  十一月下旬、外気は冷たさを増す。 三年前の秋、少し厚着をした私は、平日の南海高野線・千早口駅に降りた。朝と呼ぶには遅すぎる午前十時、降車したのは私を含めて二人。無人の改札を通り過ぎ、駅前の案内板と地図とを...