第三集 かわち野 かわち野第三集 マリアの泪 徳重 三恵 三年前の十月中旬のことです。 その日、わたしは缶ビール一本を小さなグラス二つに注ぎ、夫とささやかな乾杯をしました。肴は丹波の黒枝豆の塩茹でと、マグロの刺身です。 乾杯の趣旨は二人の健康と、手造りワイ... 第三集