第二集 かわち野 かわち野第二集 分身と共に 松本 恭子 ざっと掃除をすませて二階へ上る。東南に向く部屋の窓辺で、でんと構える私の分身、足踏みのシンガーミシンを伸びた日ざしが包み込んでいた。かれこれ百年を数える老体でも軽やかに動く。ブラウスの袖づめは二日が... 第二集