遺訓

第三集

かわち野

かわち野第三集 遺 訓 滝尾 鋭治  母は私が五歳の時に病死した。享年三十八歳。私達一家は、それまで大阪市内の天満に住んでいたが、十三(じゅうそう)の父方の祖母の家に預けられた。 そして一年後、父は同じ職場の一回り年下の女(ひと)と再婚した...