第十集

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かわち野

かわち野第十集 土に親しむ 西村 雍子  今日も冬空の天気を気にしながら畑に出掛ける。このような毎日が、いつから始まったのか。一年中空を気にしているのだ。田畑の多いこの地に越してきて五十年近くになるが、畑を借りて、鍬を持ち、土に触れることが...
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かわち野第十集 日日是好日 徳重 三惠  私は目覚し時計を六時二十分にセットしている。実際には六時前に目は覚めているが、天気予報などをラジオで聴きながら、ほんのすこし蒲団の中で過ごしてからキッパリと起き上がる。 夏ならば、もうすっかり明るく...
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かわち野第十集 続編・高齢者小学校 瀧尾 鋭治  私が二〇十五年に高齢者小学校に入学して、今年で八年の歳月が流れた。年度末に自分達で発刊している文集の三号から作品をのせているが、表題の作品は四号に発表した掌編小説だ。短編小説は原稿用紙三十枚...
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かわち野第十集 室生犀星『われはうたえどもやぶれかぶれ』 鈴木 幸子  軽井沢滞在から、入院生活までの体験を綴った『われはうたえどもやぶれかぶれ』は老齢のうえに、病気に追い詰められて、まな板の鯉になった室生犀星の人間としての、生き方の反応で...